青春メトロノーム


「良い? クラスマッチは絶対に負けられないからね! 向こうは御そろいのジャージを購入するらしいわ」
「何で?」
「向こうは38人。こっちは39人。本当ならば暁君は向こうに転入するはずが、私達一組へ転入してきたの。あのイケメンをうちのクラスに取られた二組は、負けられないとすっごいクラスマッチに燃えてるのよ」

「優菜、そんな大きな声で言ったら隣の教室に聞こえるから」

「良い? うちのクラスは身体を覆い隠すタオルを真っ赤にして目立たせるからね! もちろん赤なのは、二組の返り血が見えないためよ!」

「返り血が見えないのは赤じゃなくて黒ですよ。優菜さん」


「美貴先生!」

優菜の、ただでさえ迫力ある美人の演説に固まっていた皆は、先生のニコニコ笑う笑顔とその台詞に硬直した。

「クラスが一致団結するのも大事だけど、他のクラスや学年との交流も目的の一つだから、血が流れないように頑張りましょうね」

本気か冗談か分からない幹先生の発言に、静まり返ってたうちのクラスは、そのままテンションも上がらずに授業に向かったのだった。