青春メトロノーム





次の日起きると、玄関にお兄ちゃんの靴がなかった。

オンボロ車も無かった。

「昨日行けなかったから、暁君のお見舞いよ」

「あの病院、お見舞いって10時からだよね」
しかも暁は今日退院予定。

「うちの家族って本当に暁の家が好きだよねえ」

まあ、私も好きだけど。

呆れながらもお弁当箱を鞄に詰めて、学校へと歩いた。

が、優菜がまた校門前にいる既視感に嫌な予感しかしない。


「もお!睦月さんが帰ってくるんなら前もって早く教えてよ! スッピン姿の登校見られたじゃん!」

「おはよう。優菜は化粧しなくても可愛いじゃん」

「違うの。都会で美人なんて見過ぎてるでしょ。ダメよ、ダメ。睦月さんは将来有望なイケメンなんだから、他の人たちと同じことしてても見て貰えないんだから!」

暁の時よりもテンションが高くて少しむっとした。
が、優菜のテンションは更にヒートアップしている。

そのわけは、ホームルームでの優菜にやる気から感じられた。