遅くなって帰った私に、お父さんとお母さんは何も聞かなかった。
けれど、お兄ちゃんの大好物のハンバーグを並べると、皆で食べた。
私達が帰ってくるのをご飯も食べずに待っていてくれたのだと分かったら、きゅうっとお腹が痛くなった。
私だけ感情で動いて叫んでて、皆我慢してるってことに、私は漸く気付かされた。
本当は何も味なんてしなかったけど、私の笑顔が安心できるのならばと、笑顔でご飯を食べた。
「……暁達の家、電気がつかないね」
お父さんとお兄ちゃんが、二人で対戦ゲームをし出したのを、冷やかな目でチラチラ見ながら隣の真っ暗な家を見た。
食器を洗うお母さんは、何事もないように笑う。
「今日は、暁くんの病室に皆で泊まるんですって。一日だけなのに、個室にして家族三人で寝るって」
クスクスと笑う。
そう。家族三人。
颯太はもう誰の目にも映っていない。
「本当にあの家族は仲が良すぎ」
「本当ね」
呆れた風を装いつつも、おじさんとおばさんの気持ちが伝わってきて、涙が込み上げてきた。



