真っ暗な海に、思い出たちの光が次々吸い込まれていく。 いつも思いだすのは、あの日なんだ。 私が振り子の針を過去に止めている。 子どものまま。 「お前が颯太が居ないなんて信じないって、おばさん達の我慢してる気持ちを我慢せずに出しちゃったから、皆救われた部分もあるが」 いつの間にか、二本目の煙草に火をつけていたお兄ちゃんは、暗闇を見る私の頭に手を置いた。 煙草の匂いがする、消して綺麗じゃない手を。 「お前だけ救われないなんて、暁が辛いぞ」