青春メトロノーム


「や、話がふりだしに戻るから止めて」
「最後ぐらい笑顔で送り出せよ!」
「誰が『最期』だ」
「はあ!?」

二人がまた喧嘩になったので、とうとう庭にいたお兄ちゃんが玄関から大声を出す。

「いいからさっさと始めるぞ、糞ガキども!」

「始めるって?」

「お別れパーティーじゃねえの? かあさんがバーベキューの準備してた」
「睦月兄ちゃんがきっと火の番人になるぜ。颯太がピーマンを火に投げ込むから」
「バーベキューしたくない。二人とずっと一緒に居たい」

下へ降りようとする二人の服を掴むと、それぞれ反応は違った。
「泣き顔ブスだってば」

爆笑する颯太。

「いい加減、こっちが納得してんだから諦めろよ」

クールに睨みつける暁。

それでも二人の手は私の涙に触れた。
「でもまあ、お前が感情を出してくれるから助かるよな、暁」
「そうそう、我慢しないでそうやって感情隠さないあたり羨ましいし、こっちもスッキリする」

納得したように頷くと何故か私の手を二人が引っ張る。


「このままが良いから、暁が頑張るんだ。応援してやれ」
「お前達もこれ以上バカにならないように気を付けとけよ。変わるなよ」

「は? お前、偉そうだし」

いつの間にか始まった喧嘩に、私の頬が緩む。

こんな三人の未来を信じていいのなら、私は笑おう。

必ずまた、三人で笑うから。