青春メトロノーム



曖昧にした返事。

それはもう颯太に届くことは無い、

その日は、今年一番の冷え込みだと言われ、地面が凍結していた。

どちらともなく繋いだ手。

その手に、もう答えは出ていた。
半年も連絡が無い暁を待つのは辛くて不安で、支えてくれたのは颯太。
この手を繋いでくれている颯太だった。

私たち以外乗っていなかったので、私たちは気恥ずかしくてお互い別々の窓から景色を見ていた。

繋いだ手は、しっかり握る締めて。

「うわああ」

急に運転手の叫びとともにバスが大きく揺れた。

地面を何度もスリップし、その度に中に乗っていた私達は左右に転がった。

「きゃああっ」
「百花!」

私を抱きしめて、バスの端で蹲って衝撃に耐えてくれた。

けれど運命は余りにも残酷で、ブレーキが効かないバスは一メートル下の川へ転落。

私と颯太は非常口がら外へ投げ飛ばされた。

私は両足を川の岩で強打。
颯太は頭を強く打ちそのまま意識は戻らなかった。


あの日、自分の足の痛みなど感じなくて、心に開いた傷が颯太を求めて何度も叫んだ。