__ ふと目を覚ますと、まだ南の空に届かずにいた眩い陽の光が、既に西の空へと傾いていた。
ああ……夕焼け空を目にするのも久しぶり。ずっと昼夜逆転の生活を送ってきたし。
でも月は、あの夜以来見ていない。三人で夜桜鑑賞した時間が、母との最後の思い出になるなんて、あの夜は知るよしもなかった。
……綺麗。
水色の空が、少しずつオレンジ色に染まり行く時間は、世界一壮大な芸術作品を目の当たりにしている気分になり、感動に胸が満たされた。
白くゆっくり流れる雲が、より鮮やかにオレンジ色をまとい形を変える様を見ていると、空も呼吸しているように感じられた。
そんな美しく儚い夢のような世界を、ソファーにうずくまり眺めていた私は、この目に焼き付けようとゆっくりと立ち上がり、黒い大きなツバの帽子を被った。するとドアから二回軽快なノック音が聞こえてくる。
ああ……夕焼け空を目にするのも久しぶり。ずっと昼夜逆転の生活を送ってきたし。
でも月は、あの夜以来見ていない。三人で夜桜鑑賞した時間が、母との最後の思い出になるなんて、あの夜は知るよしもなかった。
……綺麗。
水色の空が、少しずつオレンジ色に染まり行く時間は、世界一壮大な芸術作品を目の当たりにしている気分になり、感動に胸が満たされた。
白くゆっくり流れる雲が、より鮮やかにオレンジ色をまとい形を変える様を見ていると、空も呼吸しているように感じられた。
そんな美しく儚い夢のような世界を、ソファーにうずくまり眺めていた私は、この目に焼き付けようとゆっくりと立ち上がり、黒い大きなツバの帽子を被った。するとドアから二回軽快なノック音が聞こえてくる。


