「結構です。翔のメイドにはなりません。それよりいい加減愛梨って呼んで。確かにエリとも呼べるけど、私の名は愛梨です」
「あいりは三文字。エリなら二文字。省エネだ」
なんて奴……。
思春期の頃から翔だけが私をエリと呼ぶ。間違って覚えられるから何度も直してと頼むが、一向に聞いてくれない。しかも他人には、絶対呼ばせず状態でワケわからない。
何が省エネよ、失礼な奴。
そんな膨れっ面の私とは反対に、母は嬉しそうにワインを注ぎ、また一気に飲み干した。
ペース上げすぎでない? どうせスルーだから言わないけど。ほら、目が虚ろになってる。
「ねぇ愛梨……。結婚が、女の幸せとは限らないし、愛の形も千差万別。世間の常識でなく、あなたの真実を生きなさい。一生涯のうち、心から人を愛せるなんてそうはない。出会えるとも限らない。だからたった一人に出会えたと思うなら、貫きなさい。……翔、あなたも。二人共この人生は一度きり。魂の惹かれること全て、真実の愛と幸せへの道標なのだから。……忘れないでね」
「あいりは三文字。エリなら二文字。省エネだ」
なんて奴……。
思春期の頃から翔だけが私をエリと呼ぶ。間違って覚えられるから何度も直してと頼むが、一向に聞いてくれない。しかも他人には、絶対呼ばせず状態でワケわからない。
何が省エネよ、失礼な奴。
そんな膨れっ面の私とは反対に、母は嬉しそうにワインを注ぎ、また一気に飲み干した。
ペース上げすぎでない? どうせスルーだから言わないけど。ほら、目が虚ろになってる。
「ねぇ愛梨……。結婚が、女の幸せとは限らないし、愛の形も千差万別。世間の常識でなく、あなたの真実を生きなさい。一生涯のうち、心から人を愛せるなんてそうはない。出会えるとも限らない。だからたった一人に出会えたと思うなら、貫きなさい。……翔、あなたも。二人共この人生は一度きり。魂の惹かれること全て、真実の愛と幸せへの道標なのだから。……忘れないでね」


