「……全部忘れたい。翔の全てを」
「……」
「もう忘れるしかないけど。……ずっと翔に釣り合う、強く自立した女性になりたかった。翼みたいに嫉妬も中傷も糧にできたらって。……でもやっぱり翔の理想の私にはなれそうもない。もう傷付くのも苦しむのも嫌。傷付けるのも苦しめるのも嫌。……あんな翔の涙、見たくなかった。取り返しつかないほど翔を傷付けた自分が許せない。……こんなになるなら、兄妹のままが良かった……良かった」
初めて彼に、まっさらな胸の内をさらけ出した。言葉にしたら、必死に堪えていた深い悲しみが、驚くほど絶え間なく頬を伝い出した。震え続ける唇からは、ついに声が漏れてきて、石膏のように固まる彼にガラス越しに何度も謝る。でも今は、翔に瓜二つの姿を目にすることが、何よりこの涙を溢れさせていた。
「兄妹のままが良かった……か……」
翔輝君は、消えてしまいそうな小さな声で呟くと、そのままガラス玉のような瞳で煌めく光に目を向けた。でもその瞳には、きっと何も写ってはいない。
「……」
「もう忘れるしかないけど。……ずっと翔に釣り合う、強く自立した女性になりたかった。翼みたいに嫉妬も中傷も糧にできたらって。……でもやっぱり翔の理想の私にはなれそうもない。もう傷付くのも苦しむのも嫌。傷付けるのも苦しめるのも嫌。……あんな翔の涙、見たくなかった。取り返しつかないほど翔を傷付けた自分が許せない。……こんなになるなら、兄妹のままが良かった……良かった」
初めて彼に、まっさらな胸の内をさらけ出した。言葉にしたら、必死に堪えていた深い悲しみが、驚くほど絶え間なく頬を伝い出した。震え続ける唇からは、ついに声が漏れてきて、石膏のように固まる彼にガラス越しに何度も謝る。でも今は、翔に瓜二つの姿を目にすることが、何よりこの涙を溢れさせていた。
「兄妹のままが良かった……か……」
翔輝君は、消えてしまいそうな小さな声で呟くと、そのままガラス玉のような瞳で煌めく光に目を向けた。でもその瞳には、きっと何も写ってはいない。


