きっとこの虹色に輝く鮮やかな雲は、お母さんの召された天国からのメッセージ。
"お母さんが、安心していられるような私になれますように……"
私は、翔の隣で心からそう願った。でも母を亡くした悲しみは想像以上に辛すぎて、情けなくも昨日まであの様。
その後しばらく翔と無言のまま見上げていると、同じく空を見ながら庭の中心部に歩いて行く父の後ろ姿が目に入った。
そして父も彩雲に気付いたよう。
ふと西の空を見上げて立ち止まり、空が闇へと吸い込まれて行く様を、長い間見守っていた。
かなり離れていてもその横顔からは、愛する人を失った強大な悲しみと、凍えそうな孤独に覆われているのが感じ取れた。はっきりと見えなくても、父が一人で声を殺して泣いているのが、手に取るようにわかった。
夕焼け空が、ゆっくりと夜の闇へと吸い込まれて行くにつれ、父の体は揺れ始め、やがて体が力尽きたように膝がガクンと折れ曲がり、芝生に座り込んた。
そして夜の闇が、この世の全てを覆い隠して行く中、空を仰いだまま小さくなった頼りない姿で、いつまでも泣き続けていた。
そんな父を見ながら、私も数えきれないほどの涙を流し続けた。
翔は、そんな私を横から抱き締め続けてくれていた。
……あの遠い日に私が真っ先に望んだのは"翔に愛されたい"。でもすぐに打ち消してしまった。
そして初めて彩雲を目にしたあの日から、半年以上が過ぎ去った。
あの時なんとなく聞きそびれてしまった母の叶えられた願いを、もう二度と聞くことはできない。
"お母さんが、安心していられるような私になれますように……"
私は、翔の隣で心からそう願った。でも母を亡くした悲しみは想像以上に辛すぎて、情けなくも昨日まであの様。
その後しばらく翔と無言のまま見上げていると、同じく空を見ながら庭の中心部に歩いて行く父の後ろ姿が目に入った。
そして父も彩雲に気付いたよう。
ふと西の空を見上げて立ち止まり、空が闇へと吸い込まれて行く様を、長い間見守っていた。
かなり離れていてもその横顔からは、愛する人を失った強大な悲しみと、凍えそうな孤独に覆われているのが感じ取れた。はっきりと見えなくても、父が一人で声を殺して泣いているのが、手に取るようにわかった。
夕焼け空が、ゆっくりと夜の闇へと吸い込まれて行くにつれ、父の体は揺れ始め、やがて体が力尽きたように膝がガクンと折れ曲がり、芝生に座り込んた。
そして夜の闇が、この世の全てを覆い隠して行く中、空を仰いだまま小さくなった頼りない姿で、いつまでも泣き続けていた。
そんな父を見ながら、私も数えきれないほどの涙を流し続けた。
翔は、そんな私を横から抱き締め続けてくれていた。
……あの遠い日に私が真っ先に望んだのは"翔に愛されたい"。でもすぐに打ち消してしまった。
そして初めて彩雲を目にしたあの日から、半年以上が過ぎ去った。
あの時なんとなく聞きそびれてしまった母の叶えられた願いを、もう二度と聞くことはできない。


