でもすぐに右腕をグッと強く捕らえられ、再び座らされる。
「…………俺が……したかっただけ」
「!?」
翔は、屈んで肘掛けに両手を付き、私と目線を同じにすると、四本の指を私の顎下に添えて親指で唇に触れてきた。そして更に見つめた後、微かに開くこの唇を、親指でゆっくりと左右に動かしてくる。
この鼓動は、その指の動きより何倍も早く、速度を増して行く。
私は、目の前の大きな黒目に、胸の内を探るように凝視され、魔法にかけられたように目が離せなくなる。
……その闇の中へと吸い込まれてしまいそうで怖い。
丸い闇は、少しづつ近づきゆっくり頬を傾かせるが、私の目から唇へとそらした瞬間、魔法から解き放たれる。
「…………俺が……したかっただけ」
「!?」
翔は、屈んで肘掛けに両手を付き、私と目線を同じにすると、四本の指を私の顎下に添えて親指で唇に触れてきた。そして更に見つめた後、微かに開くこの唇を、親指でゆっくりと左右に動かしてくる。
この鼓動は、その指の動きより何倍も早く、速度を増して行く。
私は、目の前の大きな黒目に、胸の内を探るように凝視され、魔法にかけられたように目が離せなくなる。
……その闇の中へと吸い込まれてしまいそうで怖い。
丸い闇は、少しづつ近づきゆっくり頬を傾かせるが、私の目から唇へとそらした瞬間、魔法から解き放たれる。


