翔は、私の所に戻って来ると、フッと小さな笑みを漏らし、私の頭を掴みながらリビング内へと押し込んだ。
「なんつう情けねー顔してんだ、お前は。……寝ろ」
……翔は聞かなかったの? それとも何もなかったフリ? それともずっと前から知っていたの?
「ほら行け」
リビングに入り、左側にある階段下まで歩くと、翔の手は頭から離れ、一人その奥にある薄暗いキッチンに向かって歩いて行った。
私は、その後ろ姿を目にしたとたん、衝動的に翔の背中に走り寄り、スッキリと締まったお腹に手を回していた。
「…………エリ?」
翔は、しばし無言の後に振り返り私の名を呼んだ。
でも私は、何も答えずに頬を広い背中にピッタリと寄せ、翔のあったかい温もりを感じて、大きな息を吐いた。
……良かった。本当に良かった。本当に本当に翔でなくて良かった。
しっかりと頼れる背中にもたれたまま、“いつまでもこうしていたい”心底そう願い寄り添い続けた。
「なんつう情けねー顔してんだ、お前は。……寝ろ」
……翔は聞かなかったの? それとも何もなかったフリ? それともずっと前から知っていたの?
「ほら行け」
リビングに入り、左側にある階段下まで歩くと、翔の手は頭から離れ、一人その奥にある薄暗いキッチンに向かって歩いて行った。
私は、その後ろ姿を目にしたとたん、衝動的に翔の背中に走り寄り、スッキリと締まったお腹に手を回していた。
「…………エリ?」
翔は、しばし無言の後に振り返り私の名を呼んだ。
でも私は、何も答えずに頬を広い背中にピッタリと寄せ、翔のあったかい温もりを感じて、大きな息を吐いた。
……良かった。本当に良かった。本当に本当に翔でなくて良かった。
しっかりと頼れる背中にもたれたまま、“いつまでもこうしていたい”心底そう願い寄り添い続けた。


