私は、逃げるようにサッとグラスを持ちながら立ち上がると、翼が思い出したような声を出し顔を上げた。
「翔君ね、本当は大口の仕事入ってて、先週イタリア出張だったけど、愛梨が心配でキャンセルするっつうから、心配した翔輝が行く事態にまで陥ったんだよね。いくら顔同じだからってお互い別々のブランド。しかも翔君はメンズ、翔輝はレディース。でもさすがの翔輝のおかげで、何とかなっちゃったから良かったけどね」
えっ!? 嘘……。
翼は、驚いて呆然とする私を黙って真っ直ぐに見上げた。
私は、申し訳なさと恥ずかしさでいっぱいになり、すぐにその目を外してしまった。
「……ってわけだから、そろそろコアラ生活から脱出してね。マジ翔君の為にもさ。言っとくけど、責めてるわけじゃないからね。私も親亡くした痛みは、よーくわかってるし。私は、愛梨ほど繊細じゃないし、愛梨ほど親との絆強くなかったから、そこまで落ち込まなかったけどさ。……私こそ親不孝娘だよ」
何言ってるの? 翼が親不孝なわけない。むしろ自慢の娘だし。
でも何て言葉をかけたらいいのかわからずにいた。翼の自分を責めてるような表情から、今は何を言っても慰めにならない気がした。
「翔君ね、本当は大口の仕事入ってて、先週イタリア出張だったけど、愛梨が心配でキャンセルするっつうから、心配した翔輝が行く事態にまで陥ったんだよね。いくら顔同じだからってお互い別々のブランド。しかも翔君はメンズ、翔輝はレディース。でもさすがの翔輝のおかげで、何とかなっちゃったから良かったけどね」
えっ!? 嘘……。
翼は、驚いて呆然とする私を黙って真っ直ぐに見上げた。
私は、申し訳なさと恥ずかしさでいっぱいになり、すぐにその目を外してしまった。
「……ってわけだから、そろそろコアラ生活から脱出してね。マジ翔君の為にもさ。言っとくけど、責めてるわけじゃないからね。私も親亡くした痛みは、よーくわかってるし。私は、愛梨ほど繊細じゃないし、愛梨ほど親との絆強くなかったから、そこまで落ち込まなかったけどさ。……私こそ親不孝娘だよ」
何言ってるの? 翼が親不孝なわけない。むしろ自慢の娘だし。
でも何て言葉をかけたらいいのかわからずにいた。翼の自分を責めてるような表情から、今は何を言っても慰めにならない気がした。


