なぜか、朝陽の手には教科書とノートの束が。


「とーちゃく。」


鈴菜は、保健室に着くと長椅子に座った。


麻尋もその隣に座る。


「...どうしたの。ふたりとも。」


鈴菜が笑った。


「牧野先生がねー、どうせ時間余ってるなら勉強でもしとけって。受験生なんだからーってさ。」


朝陽の方をチラッと見ると、テーブルにどかっと教科書を置いていた。