麻尋は、顔をしかめながら立ち上がり、なんとか足を引きずってグラウンドの端まで来た。


「はあ......。」


盛大なため息をつく。


そして、ゆっくり後ろをふりかえる。


2組の列を見ると、麻尋を注目しているひともいれば、競技に夢中なひともいる。


どっちにしろ、怪我をおった麻尋のことなんて、気遣うひとはいない。


麻尋は、足を押さえて保健室に向かった。