ため息をつきながら、もういちど試してみるが、取れそうな気がしない。 「ちょっと貸してよ。」 そう言いながらイスの脚を持ったのは。 「あ、宮沢君。」 「河原はテープ取って。俺イスの脚引っ張るから。」 麻尋がうなずくのを確認すると、朝陽は勢いよく引っ張った。 麻尋のときと全然ちがい、仰け反るほどにイスが動く。 あわててテープを取った。 「おぉ...。さすが男子。」 目を丸くして、のけぞるイスの脚を見つめた。