きみと歩んだ軌跡


「あの。冷蔵庫の食べ物がないので、食料を買ってきてください。それか、そのお金をちょうだい。」

「ちょっ、麻尋... 。」

施設長の機嫌を気にせず、堂々と言う麻尋に危機を感じて言う。

「... あぁ?」

テレビからは目を離さない。

声からして、機嫌は相当悪い。

「食料代のお金をください!」

今月の食料代ももらってない。

「チッ。うるせーな。お前の使い方がわりーからすぐなくなるんだろ。」

吐き捨てるように言った。

「1ヶ月1万円しか渡さないほうがおかさいです。足りるわけないじゃん。」

麻尋の言葉に、怒りの火をつけたのか、ダンっと足をならした。

「なんだその口の聞き方は。ふざけんなよ!?」

そう言いながら、麻尋に近づき首をつかんだ。

それでも、麻尋は怯えない。

「食料代をください。 食べ物がままならないと、みんな大変です。施設として、訴えられますよ。」

そこまで冷静な口調で言うと、施設長は財布から1万円札を5枚取りだした... と思えば、お金を投げると同時に麻尋を突き飛ばした。