「チッ。だれかいねーのかよ!!」
帰ってきた。最悪のやつが。
しかも、今日はかなり酔っぱらってる。
......危ない。
そう察知し、リビングの奥に後ずさる。
「...涼太。優衣と拓実を部屋に行かせて。」
びっくりしたように、でもうなずいてふたりを部屋につれていった。
「また酔っぱらってるのかよ。帰ってこなきゃいいのに。」
なんて毒をはいて、廊下へのドアを開ける美波。
「ねぇ、美波お姉ちゃん大丈夫かな?」
麻尋と咲良とふたりですがりつく。
美波はドアを開けると、いきなり後ずさり。
「うわっ、お酒くさ... 。」
麻尋は思わず鼻をつまんだ。
「ねぇ、麻尋お姉ちゃん。今日、施設長機嫌悪いよ... 。部屋にいよう?」
「そうだな... 。」
美波もうなずく。
施設長は、50代のおじさんで、ぷっくりとふとっている。リビングにずかずか入ると、ソファーにどかっと座り、テレビをつけた。
でも、麻尋は言わなければいけないことがある。
施設長に近づくと、拳を握りしめた。

