コンコン

ドアが開いた。

「麻尋ねーちゃん。」

ひょこっと顔をのぞかせて、こちらをうかがう優衣。

「なーに?お掃除終わった?」

こくっとうなずくと、タタタっとこちらにかけてきて、麻尋に抱きつく。

「おお... 、どうしたの。.ゆーい?」

ひたすら力いっぱい抱きつく優衣。

そんな様子に、あきらめて背中をトントンとたたいた。

考えてみれば、優衣もまだ4才。ちょっぴりつんとしていじっぱりでも、まだ4才なんだ。お母さんの温もりがなくちゃいけないとき。

甘えなくちゃ、いけないとき。

それなのに、優衣はここにいる。

ここしか居場所がない。

... 運命とは、どうしようもならない。

「麻尋ねーちゃん。」

小さく、麻尋の腕の中で声を出した。

「ん?なーに?」

「.....もう、ママに会えないの?」