拓実と優衣の顔を交互にみると。
「ここの散らかしたの、ちゃんとふたりで片付けなさい。...いいね?」
ふたりの頭をなでると、優衣はふてくされながらゴミ箱を持ってきた。拓実も真似をするかのように、優衣の後をついていく。
ほっとして、部屋に向かった。
麻尋は、自分の部屋にカバンを投げると、ベッドにダイブした。
「はあぁ... っ、ふあぁーっ!」
今日いちにち分のため息を、存分につく。
朝起きてご飯作って学校行って、帰ってきたら家事をしてちっちゃい子の面倒みて、またご飯つくって... 。
ほんと、体が壊れそう。
拓実、3才。優衣、4才。涼太リョウタ、小5。咲良サクラ、中1。あと、高2の美波ミナミ。
あと、たまに来てくれる施設の人のみっちゃん先生。
美波は、高2になって、バイトやら受験やら忙しくて帰るのが遅い。
だから、麻尋がやるしかない。
だって、この家は、施設の先生が面倒すら見てくれないから。
放置している。