「今日は、もう遅いから帰りな。」 あたしは、うなずくと、かばんを持って音楽室を出た。 「鍵は俺が返しとくから。気をつけて帰りなね。」 音楽室の鍵を閉めながら言う。 「... ありがとうございます。」 そういうと、あたしは階段を下りて、下駄箱へと向かった。 そそくさに学校から出て、帰り道を走った。 しばらく一気に走ったから、息が苦しい。 「はあっ...... はあ... 。」 おそるおそる学校の方を振りかえる。