麻尋の向かい側には、紺色のブレザーの征服を着た男の子がひとり、歩いてきた。その隣には、黄色のひよこのエプロンをさげた女の人。
麻尋は、それに気づくとぱあっと微笑んで走り出す。
「はるにぃ、みっちゃん先生ー!」
はるにぃと呼ばれた男の子に抱きついた。
「麻尋?ここまできたの?」
笑いながら、そっと頭をなでるはるにぃ。
みっちゃん先生は、麻尋とはるにぃをやさしく引き離した。
「麻尋ちゃん。はるにぃはこれから学校があるんだよ。」
“ 学校......!”と目をキラキラさせてつぶやく麻尋。
「はるにぃ、がんばってね!」
そういって、手の中の桜の花をわたした。
「えっ、くれるの?」
「うんっ!あげるの!」
恥ずかしそうに、みっちゃんに抱きつきながら、こちらを見る麻尋にくすっと笑う。
「ありがとう。」