きみと歩んだ軌跡


「今日から3年生だね。最高学年で中学校生活最後の1年、そして受験の年。... なにがいいたいかって言うとね。」


すうっと深呼吸すると、微笑みながら話す。


「この1年、みんなが居やすいあたたかいクラスをつくってほしいんだ。居やすいクラスって、単純なことそうだけど、じつは難しいしすごいことだと思うんだ。だから、俺もなにかやれることがあったらやふし.....まあ、そんなわけで1年間よろしくね。」


教室がシーンと静まりかえる。でも、みんなの視線は、ちゃんと瀬上の方に向いていて。


麻尋も、瀬上の方を見つめていた。



こんなにクラスが静まりかえっているなんて、めずらしい。


怒声や手をあげずに、こんなにクラス全体を黙らせる先生は、この学校では初めてかもしれない。