「聞こえてるのにね... 。」


そして、1時間目が終わった今、出席番号の席順で、なぜか隣同士という謎の運を引き当てたうえに、クラスメートから陰口を言われる始末。


ふたりの間の沈黙を破ったのは麻尋で。


「どのクラスになっても、こうなるってことはわかってたから。」


ひととおりクラスを見渡すと、ため息をついた。


ふたりの席の周りには、誰も寄りつかない。まるで、ふたりだけの空間があるように。