「なぁーんだ。あいつかー。ふたりとも、あいつの生徒さんかぁー。」


麻尋と鈴菜を交互に見ながらにやにやとする。


しばらく軽くスキップをしながら保健室をぐるぐると回ったと思えば、こんどはふたりの肩を強すぎるくらいの力でバシバシとたたいた。


「まあ、おふたりさん。頑張ってね~。陽人のことだから大丈夫だろうけど。」


麻尋は、“陽人... ?” とつぶやく。


そのとなりで鈴菜が苦笑い。


「いそがしい先生だね... 。」


頭の中で、“あいつ”と“陽人” というワードがぐるぐる... 。


この学校の先生同士は、下の名前で呼ぶほど仲がよかったのか......?


どちらかというと、先生同士で仲が良い姿を見たことがないくらいだったのだが。