「はい、どーぞ。食べな?」
目の前には、ほかほかのご飯と味噌汁。
生姜焼きとほうれん草の和え物。
... 料理、こんなに出たの久しぶりだ。
心の中で思いながら、小さく言う。
「... いただきます。」
お味噌汁をすこしだけ飲んだ。
「... おいしい!」
思わず声が出てしまった。
なんていうか、あったかい。あったかくて、優しい味。
... ... すごい、すごいおいしい。
「あははっ、ほんと?」
笑って、麻尋の方を見ていた。
ひとくち、ふたくちとどんどん食べていって、あっという間になくなってしまった。
箸を置くと、手を合わせた。
「ごちそうさまでした。」
「ん、よかった。全部食べれたね。」
相変わらず、... いや。さっきよりもっと笑顔な瀬上。
麻尋はお皿を台所まで持っていく。
「あの... 。」
ソファーで座っている瀬上の方を見た。
「ん?どうした?」
「お皿洗っときます。あと... ご飯もあたし作れるんで。作りますよ。」
「おっ、皿洗いは助かる。
けど、ご飯は大変だから... 。じゃあ麻尋は、土日担当な!」
... えっ?土日?
「でも。それじゃ先生が大変... 」
麻尋は、普段ほとんど一人で家事をやっていたから、違和感がある。
「え?気にしてくれてるんだ。
けど、いつも俺がやってるし、大丈夫だよ。
それに、麻尋は平日学校だしね。」
しぶしぶうなずくと、自分の部屋に帰ろうとした。

