「咲良、あたし...行かなきゃ行けないみたい。
... 絶対、連絡はする。あたしは大丈夫だからさ。
だから、...行ってももいい?」
どうせ、大人の決めたことだ。
子どもがどう騒ごうと、聞く耳を持たないだろう。
咲良はびっくりしたように目を見開いた。
「だって..!嫌じゃないの?あの人も、たぶん... 」
「咲良。たぶん... たぶん、だけど。あの人は... ちがう気がする。」
自分でも、何を言っているのか...。けど、言葉が出てくる。
「え...?」
「だから、大丈夫。大丈夫だからさ。
...行くよ?」
咲良はしばらくうつむき、そして顔をあげた。
「...わかった。けど、ぜったい連絡してね。じゃないと怒るから!」
目元が涙でぐちゃぐちゃになっていた。
「それとっ!なにかされたら、すぐに言ってね!助けに行くから!」
麻尋は、微笑むとうなずいた。
そして、ぎゅっと抱きしめた。
また、咲良の泣き声が聞こえてくる。

