「でもねぇ~... 」
女の警察官が困ったように、首をかしげている。
咲良は、麻尋の手を引っ張り部屋の隅へ行った。
「咲良...?」
目にはうっすら涙がたまっていた。
ポロリと落ちる。
「あの人...いまおねーちゃんのこと、ぶった...。また施設長と同じ目にあうかもしれないもん。
そんなの... そんなのやだから。」
うつむきながら、震える声で話した。
麻尋はじっと咲良のことを見つめる。
叩かれた頬の痛みは、それほど残っていない。
施設長に叩かれたのと、比べ物にならないほど痛くは...ない。
けど、重みはあって。
麻尋は振り返って、瀬上の方を見た。
警察官に案内されて、なにか書類を書いてる。
...もう、決まったんだろう。
麻尋は、かがんで咲良の目を見た。

