瀬上はホッとしたように微笑むと、麻尋の前に行き、座った。


そして、咲良たちを見る。



「麻尋...ごめん。みんなに会いたかった?」



出てきたのは、予想もない言葉。


瀬上は続ける。



「ごめんな、急だったもんな。

だから...ここに来たの?」



瀬上はただ麻尋の目をじっと見て言った。




麻尋はうつむく。



「連れてきてもらった。朝、警察の人が家に来て、それで... 」




″そっか″と息をつく瀬上。




慌てて女性の警察官が頭を下げた。


「す、すみません。許可もなく... 。ただ事情聴取のつもりで。」