涼太もうなずく。
...けど。あたしだってわからない。
″先生″っていう人が嫌だった。
″だった″......?ちがう。今も嫌い。
けど。あの先生は...。他の先生とちがう。
ちがう空気がある。
空間がある。
...だから、なのか。
「ま...おねーちゃんがいいならいいけど。
ってことは、このままその先生の家に住むってことでしょ?」
「...いや、ちがうよ。そんなこと。
だいいち、迷惑でしょ。どうせ嫌々あしをおいてるんだろうし。」
あたしも、ずっといるつもりじゃない。
すると、涼太が凛とした目で見てきた。
「へぇー。先生がそんなこと言ったんだ。」
あらかさまに口を曲げる。
「ちがう。言ってはないよ。...けど絶対そう思ってるでしょ。」
咲良はポカンとした。