遠くを見るめるようにして、ぼうっと話していた。はっと我にかえる。
「あっ.....ごめんね!ついぼうっとしちゃって... 。」
麻尋は、床に置いてあった鈴菜のかばんを持つ。
「すごいと思う。そう思えるのは。」
少し微笑むと、新しい3年生の教室に向かっていく。
「聞かないの... ?」
ふいに聞こえるさびしげな声。さっきまでとはうって違っていた。
そのことに気づき、後ろを振り返り麻尋。
「え?なにを...。」
きょとんとして鈴菜を見つめた。
鈴菜は、ばつが悪そうに一瞬うつむく。
「足のこと。」
そう言われると、自然と足のほうに目がいってしまう。スカートから出ている足には、痛々しいほどの傷があった。
「みんな、私に話しかけるとしたら足のことばっかりで。それしか聞かないから... 。」
そういう鈴菜に、自然と言葉を発していた。

