頬に響く、鋭い痛み。じんじんとひろがる。 床に突きつけられ、倒れた。 「おねーちゃん!」 咲良が麻尋のもとへ駆けるが、手で追い払う。 「咲良っ!みんなと向こうに行って!... はやく!」 咲良は涙目でこくっとうなずくと、涼太とふたりで優衣と拓実を抱っこして部屋へ逃げた。 しんと静まるリビング。 それを破ったのはあいつだった。