「ありがとう。」
微笑む鈴菜を見て、麻尋は思わず言った。
「ずっと笑ってて、すごいね...... 。」
同じ立場なのに、クラスからも避けられているのに、それでも笑っている鈴菜が不思議だった。
鈴菜は、一瞬びっくりしたように麻尋を見つめると、うわばきを取り出した。
「よく言われる。こういう性格だからかな?」
ふふっと苦笑した。
ようやくうわばきに履き替えて、車イスからゆっくりと立ち上がった。
麻尋は、小さく首を振る。
「... そういう性格が、すごい。」
鈴菜は、下駄箱にかけてあった松葉杖を持つと、体重をかけた。
そして、すこし顔をしかめるようにすると。
「ううん、こういう性格になろうと思ったの。私が病気のときはたくさん苦しんで、たくさんの人に支えてもらってたから。今度は、私がそんな存在になれたらって...... 。」

