「中1のときから。麻尋ちゃん、いつもひとりでいたから、私と同じだなって思って。...話しかけて見たかったんだ!わたし、加藤 鈴菜だよ。」
“麻尋ちゃん” そう呼ばれたのは久々じゃないだろうか。少なくとも、ちゃんと友達として呼ばれたのは。
あっけにとられていると、昇降口のほうから大声が聞こえてきた。
「もうすぐ始業式始まるぞ!早く新しい教室に入れー。」
いつもは上下ジャージなのに、この日は始業式だからか、馴れない黒のスーツを着ている。去年の担任、遠藤先生。あのひとは... あんまり好きじゃない。苦手だ。
しかたがなく、ふたりで下駄箱に行き、自分の新しい番号のシールがはってあるところに靴をおき、上履きにはきかえる。
ふと隣を見ると、車イスに乗りながら靴を脱ぎ、下駄箱に入れようと苦戦している鈴菜。
「...手伝おうか?」
そう言って靴を受けとると、鈴菜の番号に入れた。

