「できれば、お迎えにきていただきたいのですが...。もしご用事があれば私が家まで送りますよ。」 『大丈夫です。あいつひとりで帰らせてください。』 ガチャっ それだけ言い残すと、電話が切れた。 「......え。切れた。」 ひとりつぶやく瀬上。 それはそうだ。自分の子どもが倒れたとなれば、迎えにくるのがふつうだ。 たとえ、施設でほんとうの子どもでないとしても。“保護者" という立場なんだから。 「電話、どうだった?来てくれるって?」 そう声をかけてきたのは、牧野。