“あざ" というワードを聞いてから、一気に声の調子が下がった。

低く、響き渡るような声。


「はい...。ケガか倒れたときにできてしまったかもしれないのですが。今から学校までお越ししていただけますか?」


麻尋が倒れてしまった以上、ひとりで帰ることは難しい、と思う。


しかし、施設長から出てきた言葉は。


「.........いや、ひとりで帰らせてください。大丈夫なので。」


声色ひとつ変えず、いやむしろ冷たくなった声で言い放った。


さすがに、瀬上は驚いた。