プルルルル
何回かのコールが鳴ったあと、カチャリと電話に出た。
「夜分遅くに申し訳ありません。私、千石中学校の瀬上ともうします。」
『...どうも。麻尋の担任の先生ですね。』
たしか、この施設の施設長の人だ。
「はい。今日、麻尋さんが体育祭の練習中にですね。転んで、足の方をケガをしてしまいまして。」
『はい。』
“ケガをした" と聞いても、その声の調子はすこしも変わらない。
「それでですね、さきほど倒れてしまって、今は保健室で安静にしていますが、あざなどができてしまいまして、ご連絡をとらせていただきました。」
『............あざ?』