不機嫌そうな瀬上が、麻尋の膝の上を指差した。 そこは、こぶしほどの大きさで痛々しいほど赤紫に変色している。 ふだんは、スカートで隠れて見えないのだ。 「.........まただわ。」 眉を寄せて、意味深に声をひそめて言う。 「......また?前にもあったのか?」 牧野はコクりとうなずいた。 「うん。というか、入学してきてからずっとね。頻繁に保健室にたずねてくれば、氷水ほしいって...。聞いたら、あざができてて。」