普段からあまり話しかけられない麻尋は、少し動揺しながらも、しぶしぶ掲示板へと足を運んだ。
すると、さっきまでにぎわっていた昇降口は、もう誰もいなくなっていた。
クラス替えの表の上には、大きくうすピンク色で、“進級おめでとう” と書かれていた。
上から、3-1、3-2、3-3、3-4とならんでいて、全部で4クラス。生徒の名前が、筆で書いたような整った字で書かれていた。
河原 麻尋...... 河原麻尋...... あった。3年2組の12番。
「あっ...!私の... !同じクラスだね!」
車イスにの女の子が笑って言う。
「え、あ、うん。そうなの... 。......え、あたしの名前...知ってるの?」
車イスの女の子は、“知ってるよ。” とうなずいた。

