心臓が、ドクドクと鳴る。 こんなふうに、先生とお話しするなんてめったにない。 だから、よけいに緊張する。とくに、大人とは。 「あの、今日。学年種目のとき...。」 それから、麻尋はすべて話した。誰かに足を引っかけられたということ。 それが、たぶん一緒に走っていた3人だということ。 そして、ケガをしたということ。 最初はうんうんと聞いていた瀬上の顔も、だんだんとしかめていく。 麻尋の経験上、それを言ったからって、どうしてくれた先生はいない。 だって、確定となる犯人の証拠がないから。