クラス替えなんて、正直どうでもよかった。 麻尋は特にといって仲の良い友達はいないし、友達を作ろうという気もない。それを察してか、まわりもあんまり麻尋に近づく人はいなかった。 しばらく、ボーッと空を見上げていた。雲ひとつない青空。体にあたる春風は、心地よくてうとうとしてしまう。 すると、突然なにか硬いものが、足にコツンとあたった。 正面を見ると、車イスに座った女の子がいた。 「ねぇ、クラス替えの掲示、見に行かないの?」