探し物








祖父母の家に帰り、優子の家に行くことを伝えて荷造りを花火は始めた



「…花火。
入るぞ?」



タカが部屋に入るとダンボールが沢山置かれていた



「…
タカ…」



花火が震えるような声で名を呼んだ
タカは前に回り込んで顔を覗かせた



「ん?」



「ごめんね…
タカの家に行くのがいい答えなのかまだ分かんないけど…
絶対に迷惑を掛ける事は目に見えているから…」



笑顔でそう言うとタカも笑顔を作り



「何言ってんの?
俺達、兄弟になるんだぜ?
妹の事を迷惑なんて思わねーよ」



そう言うと花火は勢いよく顔を上げて大きな声で



「ちょっ!
なんで私が妹なの!?
お姉ちゃんがいい!
タカは弟!」



そう言われて笑いながらタカも



「俺の方が誕生日早いから俺のが兄貴だよ」



と言うと花火も負けじと言い返した



2人はまるで、ずっと前から一緒にいたかのように仲が良かった