「………聞いているのですか?
真坪花火さん
何故あのような事をしたのかと聞いているのです」
目の前に座る校長がもう1度問いた
花火は何も言わずにただどこか遠くを眺めていた
横の2人はハラハラと花火を見ていた
『バンッ!』
勢いよくドアが開いた
花火は気にも止めずにボーッとしていた
タカと優子はドアの方を見た
「校長先生!」
そう叫んだのは真守だった
真守は頭を勢いよく下げながら大声で
「申し訳ありません!
母から話を聞きました
悪いのはすべて母なんです!
それと、我儘なのは百も承知です
どうか、この事を大っぴらにしないでほしい…
今となっちゃあたった1人の家族なんで
失いたくない…
どうか、この話はここだけで収めて欲しいんです
本当に申し訳ありませんでした!」
そう言うと校長は困りながら
「だが…
暴力を振るったのはうちの生徒であって、
君の母親が罪に問われる事は無い…」
そう言うと真守は
「母さんは自分の失言を今、悔いています
俺が何が言ってはいけないのかとか教えたらすぐに分かって
謝っていました…
悪いのは私達です…
死んだものと生死をさ迷っているものを侮辱されて怒らないものはいないと思います…
例え母が真坪さんがその人たちに関わりがあると知らなかったとしても……
言っていいことと悪いことがある…
本当に申し訳ないことをしました
許してください…」
そう言う真守を見て校長は
「真坪花火さん
あなたには1ヶ月の謹慎処分を下します
本来でしたら警察を呼ぶようなことです
野村くんとお母様に感謝するよう
もう出てって構わない」
そう言われて優子は深く頭を下げて花火とタカを連れて部屋を出た

