花火は大粒の涙を流していた
タカは花火を見て悲しそえな顔で答えた
「緑って…
意識不明の息子??」
そう聞かれて花火は軽く頷いた
「……私の、彼氏だった人なの………
ずっとそばにいてくれて…
いつも離れないで、隣にいて
いつも守ってくれて…
強くって、でも弱くって…
愛おしかったの…
だから、許せなかったの…
根本くんに何を言われても私の意思は変えない…
ごめんね
変なとこ見せて」
そう言いそっぽ向いて涙をゴシゴシ拭いていた
タカは小さい頃の花火を思い浮かべてみた
自分の知っている身内が誰もいなくなり、幼なじみの家に住んでいた5年間…
施設で過ごした2年間…
特に、施設の2年間は何よりも苦痛だと思う
泣き場がなく1人で隠れて泣いている花火を想像した…
まだ小さな背中を丸めて、誰も慰めてはくれなくて…
ただ復讐の為だけに生きようと決めていた…
どんなに黒い過去だろう
タカは花火を見て手を伸ばしていた
「…………っ!
…………ぅっ…
ねもっ………く、っん……
ごめ……
私は、復讐の為だけに頑張って生きてきたの…
今更止められないよ…
ごめんね………タカちゃん…」
そう言い笑顔を作るとタカの手をどけてその場を去った

