「どこから話そうか?」



そう聞くとタカは笑いながら



「テキトーでいいよ
俺が細かく知ってもって話だし」



それを聞いて花火は頷いてから話し始めた



「私の両親がいなくなったのは私の小3の時、幼稚園の時に父親が家を出てって
小3の時に母親が亡くなった

両親とも家と絶縁していたため私の引き取り手は無かった…
でも、近所の家の人が家においでって言ってくれてね

その家にお邪魔することにしたの
名前は……橋川…
橋川家はいたって普通の家だったの
三人家族の仲良し親子だった…

2年前、放火事件があるまで私はその家にいた
あの家に火をつけたのは野村勤(のむらつとむ)…

野村真守の父親…
私はあいつに復讐したいの!
野村勤の周りのもの全てを私の手で消し去る…
その為なら私は死んだって構わない
野村真守と母親の涼子(りょうこ)を私は絶対に消し去ってみせる」



そう言い終えるとタカは少し悲しそうに



「復讐がすべてしゃないと思う…
"この世のどんなことにも、意味があるから…
すべては運命で、必然で出来ている…"

昔、ある人にそう言われた
当時は小さくてよくわかんなかったけど、大きくなった今でもよくわかんない言葉なんだ

けどさ、きっと橋川さんの息子君が目を覚まさないのにも意味があって、花火ちゃんが復讐を願うのにも意味がある…
うまく言えないけど、


俺が思うに、復讐なんて…
偽りの美しさにしか過ぎないよ
復讐ができたって、誰も喜ばない
傷つく人が増えて、」



そこまで言うと花火が急に



「うるさい!
知ってるよ…
復讐の後は何も残らないことくらい!
けど…けどさ………
復讐を願う心を…

緑を好きな気持ちを…
否定したくないの!」