花火は角を曲がったところで足を止めた



地面をすごい形相で睨みつけて息を吸ったり吐いたりと荒々しく呼吸をしていた



「くそっ…
まだなのに…
もうちょっと…
早く……」



1人でブツブツと言葉をハッしていると前の方から砂利の音がして我に帰った



「誰っ!?」



そう聞くと苦笑いした男の子が立っていた



「え、えと…
ごめんね
上から見えて、苦しそうにしてたから…

えと…
大丈夫???」



そう気を使いながら花火に声を掛けた



花火はすぐに笑顔を作り



「何言ってんの?
苦しいわけないじゃん
見間違いだよ
きっと…

で、えっと〜
お名前は???」



そう聞かれて男の子は



「あ、覚えてない?
やっぱり?
いやー、予想はしてたけど傷つくなー
同じクラスの根本タカ(ねもとたか)です
覚えてね」



そう笑顔で言うと花火はさっきと同じような恐ろしいほどの形相でタカをみて



「タカ……ちゃん??」



そう言い後ずさりをした