拝啓、笑顔を忘れたボクへ

「・・・・って、ラブホかよ!?」

「え?だってカラオケだと周りうるさいし、俺体冷えたから風呂入りたいしー。良いじゃん。金は俺払うし」

悪びれる様子もなく、どの部屋にするか真剣に選んでいる。

すると梨香が近寄って来て部屋のボタンを勝手に押した。

「え?その部屋が良かったの?・・・って、そこ一番高い部屋じゃんか!?」

予想外の行動に心底驚かされた。

まぁ、露天風呂入りたかったし良いか・・・
と思いながら2人はエレベーターに乗り込む。

そして運命の階に到着した瞬間。

「ちなみにこの部屋ベッド2つあるからどっち使うかは裕樹に任せるよ?私はもう一つの方で寝るから」

と先に部屋に入っていった。

「嘘だろー、せめて一緒のベッドで寝よーよ?」

ぶーすか文句をたれる。がその不満も消し飛ぶ位豪華な部屋だった。

各ベッドの近くに60インチの大型テレビ。
ウエルカムドリンク的なシャンパン。
そして露天風呂にサウナ。極めつけはシャンデリア!

うーん。さすが1泊2万円以上のお部屋。
できるならここで沙紀ちゃんと過ごしたかった・・・

「きゃぁ!ベッドふかふか!寝心地超良さそう!」

梨香は天蓋付きベッドの上で騒いでいる。

「って、おーい。俺そっち使いたかったんだけどー?」

柱から覗き込み呆れ顔で梨香を見る。

「な、なにさ?別にお姫様的なのに憧れても良いしょ?」

攻撃的な姿勢を見せていた彼女が初めて保守的な姿勢を見せた。
どことなく小動物に似ていた。

「別に構わないよ?んじゃ俺から風呂入って来るわ」

「ま、待ってよ!」

気怠そうな歩き方をする裕樹を呼び止める。

「ん?何?」

ベッドでこじんまりと座っている梨香を見つめる。
梨香の顔は今日一で真っ赤になっている。

「裕樹は彼女いないんだよね?」

「ん、あぁ。いないよ?(セフレはいるけど)」

一瞬の沈黙が流れる。

「じゃ、じゃあさ。私がエッチしようって・・・言ったら?」