拝啓、笑顔を忘れたボクへ

「梨香!」

慌てて梨香に駆け寄り、体を起こし背中を撫でる。

「あの大丈夫ですか?良ければ救急車呼びますか?」

「いえ、お構いなく。歩いて帰れる距離なので・・・」

肩を叩いた男を見ようと振り向くと・・・

警察官がそこに立っていた。

やべぇ!
そーいや交番すぐ近くにあったから誰か呼んだのかも!?

「見た感じ彼女若そうだけども?」

さすがに背筋が凍る。


だが

「いえ、彼女同じサークルの後輩なので大丈夫ですよ。心配おかけ致しました。」
得意のスマイルでごまかす。

「そうかそうか、なら良かった。ちゃんと彼女を送って行ってな」


そう言い残すと警察官は去っていった、それを見て野次馬も散っていった。

「ったく、何やってんだよお前。あんなとこで寝たら風邪ひくぞ?」

「だって家に帰りたくないんだもん。もっと裕樹と話したかったから・・・」
目を潤ませ控えめに俯く。


「だって俺のこと嫌いだろ?ずっと睨んでたし。」

「そりゃぁ警戒するよJKだって言ってんのに飲みに連れていくし。
沙紀に好意あるの丸分かりだし」
・・・バレてたか。

「だから沙紀、私に気を使って普通に帰ったんだよ?」

梨香の顔を見ると涙が流れていた。
すぐにでも凍ってしましそうな寒さだったが止まることなく流れ続ける。

裕樹は梨香を優しく包み込んだ。


「ここじゃ寒い。どっかで温まろう?」


「うん」