拝啓、笑顔を忘れたボクへ

時間になり3人は外に出る。深夜24時が近づき一層寒さが際立つ。

「うー。さみぃ。二人は帰り同じ方向なの?
ってか梨香ちゃん大丈夫なん?」

肩を縮ませながら3人は地下鉄のホームを目指す。

 「正直、まだフラフラするー。やばい、地下鉄乗ったら吐くかも・・・。
そういや沙紀はこのまま彼氏の家行くんだよね?」


何!?


思わず、梨香の方をガン見してしまった。

 「うん。明日彼氏仕事だけど昼からだから行くよ?
そしたら梨香と裕樹さん同じ地下鉄だね」

沙紀は地下鉄のホームに入ると足早に反対方向に歩いていくが、翻し裕樹に近づいてきた。

「裕樹さん、梨香のこと頼みますよ?」

意味深な笑みとほのかに甘い香りを残し、沙紀は去っていった。


裕樹は若干立ち尽くし、頭をかく。

「んだよぉ、社会人の彼氏持ちかよ。ってか、梨香はどこ行った?」


辺りを見回すが姿はない。

思わず固まってしまう。


「あれ?これやばいヤツじゃね?」

終電まで残りおよそ10分。それまでに何としても見つけなければ!

「梨香!おい梨香どこだー?」


ひたすら走り回るが、それらしい姿はない。

「ったく、あの小娘勝手なことしやがって!後でケツ引っ叩いてやる!」


「きゃー!大丈夫ですか?」


地上で声がする。まさかと思い必死で階段を駆け上がる。
上がりきったところで数人に囲まれているポンチョ姿の女の子が横たわっていた。