拝啓、笑顔を忘れたボクへ

は!?高校生だって!?さすがに飲みに連れて行ったらまずい・・・


いや・・・まてよ?

「そーか、そーか。なら飲みに行こう」

動揺を悟られないように笑顔を維持したまま彼女たちに近づく。

「は?アンタ話聞いてたの?私たち高校生だって・・・」

予想外の反応に微妙な方もさすがにたじろぐ。

「はいはい、何年生かまでは聞いてないし、こんな時間に出歩く不良娘はどうせ2年位留年してるしょー?
さ、行くぞ!行くぞ!終電で帰れなくなる!」

微妙な方の手を引き、行きつけの個室居酒屋に入る。
裕樹の狙いの女の子は小走りで2人についてきた。

結局、有無を言わせぬまま席に着かせ、各々注文をする。
飲み物が来たところで乾杯(特に盛り上がらなかったが)をして、自己紹介をする。

「俺は高浪裕樹。北札幌大学経済学部の3年生でーす!えっとぉ趣味はー」

酔って先ほどよりもテンションが高い。

微妙な方はムスッとし、可愛い方は困った顔で笑っている。

だが二人ともアルコールは初ではないようだ。
裕樹ほどではないとはいえ、そこそこペースも早い。

先に微妙な方が自己紹介する。

「森 梨香(もり りか)。趣味はバスケ。」

短く放ち、裕樹への警戒は一向に解くつもりはないようだ。

「りりかちゃんか。良い名前だね!
(大丈夫だから、お前には手出さないから、睨むなよ)そっちの君は?」

「え、えっと、私、南 沙紀(みなみ さき)って言います。
みんな、『みな』とか『みさき』って呼びます。
あと、りりかじゃなくて梨香ですよ?」

元々人見知りなのだろう。アルコールで赤くなった頬がさらに赤くなる。

「そっか、そっか!沙紀ちゃんね!よろしく!ごめん!梨香ちゃんもよろしく!
(やべー!リアルJKマジかわええ!)」

裕樹は下衆な笑顔が出そうになるのを必死で堪え、表情を作り続ける。

「そーいや、二人はこんな時間にどうしたの?明日学校は?」

「ん、家庭学習期間だから。学校ないよ。」

梨香はジョッキを飲み干し短く言い放つ。
鋭い眼光は落ち着いたが、段々目が座ってきた。

そんなこんなで裕樹と梨香の攻防はしばしの間続くのであった。